[レポート] 「Project management and Agile – Strategies and examples of enterprise-wide organization」 #linedevday_report
はじめに
LINE DEVELOPER DAY 2日目の「Project management and Agile – Strategies and examples of enterprise-wide organization」についてレポートします。
LINEの全社組織が取り組んでいる、Agile・Scrum文脈でのプロダクトチーム改善・組織改善に関するセッションです。
スライド
スピーカー
Yokomichiさん Senior Manager of 'Effective Team and Delivery Department'
経歴:エンジニアからエンジニアリングマネージャ、プロジェクトマネージャ、スクラムマスター、アジャイルコーチ
組織図:
目的・戦略
- Delivery Management Team
- PMという役割は不要だが、PMという行為自体は重要と考えている。
- PMの行為をチーム全員でやる。
- 複雑なプロジェクトの場合は一時的にPdMがPMをやったりするが、あくまで一時的。最終的にはチームメンバーに移譲していく。
- PMという役割は不要だが、PMという行為自体は重要と考えている。
- Agile Coach in LINE
- あくまで現状を良くするためにAgileのプラクティスを活用しようとしている。
- 問題の解決をサポートする。
- やらないこと
- いい、悪いの判断はやりません。
- プロセス文書の標準化することもしません(標準化は従業員のクリエイティビティを減らすと考えている)
- 専門家として助ける。
- キーポイント
- プロジェクトマネージャはいらないがプロジェクトマネジメントはいる
- アジャイルをやるではなくアジャイルになる
- 元々持つ能力を引き上げる
- やっていること
- 全社員を対象としたトレーニングを実施している
- 問題解決の事例を組織に蓄積していってる
- リクエストを現場からいただき、対話して、問題の見える化して、PDCA
- 私たちのチームに所属するメンバーのバックグラウンド、強みとかを表明して何ができるか理解してもらっている。
事例
- LINENewsの事例
- 組織は「ビジネス・プロダクト企画」「開発組織」の大きく2つ
- Issue
- 徐々にアジリティが下がってきてる
- マネージャとかリーダがボトルネックになってきてる
- Resolving
- 開発から収益になるまでのリードタイムを短くする
- 変化に対応できるような組織構造を作る
- 実験・試み
- 自己組織化された組織の集合にする。マネージャへの依存を減らす。
- まずは機能横断型の小さなチームを作った。次はその構造をスケールアウトする。
- ビジネス側についても小さなチームを作った。そして権限移譲。Manager as a PO。
- さらにそのあとはわかりません、私が決めることでもありません。
- 進め方
- キーマンを中心にヒアリング。リーンやアジャイルのトレーニングを提案、そして提供。価値基準を説明してディスカッション・ワークショップ(あくまで考えるのは組織の人たち)
- トレーニングの結果非常に良好(NPSで評価)
- そして全てのメンバーでトレーニングを受けることにした。ここで改善効果の浸透ができた。そして実戦に移した。
- みんなに広めるに当たって組織内で勉強会した。個々の問題解決支援。
- さらに外部のトレーニングも検討している。
- 私たちに出来ることは議論をして実験すること。そして改善すること。
- 人に勧めたいと思ったというのがよかった点。彼らがやりたいと思ったこと(生み出したことを)リスペクトしている。
- その他、素晴らしいプラクティスの紹介あり。ぜひスライドをご参照ください。
全社組織の運営事例
- Yokomichiさんたちの組織
- Vision Missionを全員で考えて計画
- The TPM Manifesto(自分たちの信念を作り共有)
- Know Each Other(セルフアセスメントの開示)
- Using Scrum for our Own Work(実際に自分たちもScrumで)
- Learning Session(インプットしたものを組織内にアウトプットしている)
- 外から得た知識を中に伝えていく。
- https://engineering.linecorp.com/ja/blog/recommend-learning-session/
- 定期的にリモートランチをしたりする(仕事の話禁止)
まとめ
組織改善の考え方だけでなく事例やプラクティスもふんだんに盛り込まれた非常に分かりやすいセッションでした。目的・戦略を見据えた上で、考え方やプラクティスを取り入れていきたいですね。